セックスボランティア
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人気ランキング : 3,926位
定価 : ¥ 1,575
販売元 : 新潮社
発売日 : 2004-07-01 |
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セックスボランティア |
そこに居るかのごとくLIVE感のある力作である。淡々と事実が綴られるが、著者と取材対象者との間に信頼関係が築かれていなければ語られることはない「人間の生(性)」が描かれ、それ故に重く切なくも清々しい作品となっている。脚色や解釈に頼らない、むしろそうしたものが邪魔になる作品は稀有であり、多くの方々に読んでみて頂きたい。ハンディキャップを持つ者を身近にしている立場からも作者の視点と距離感を高く評価したい。次回作への期待も大である。
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ノンフィクション好きとして、興味をもって面白く読みました。 |
『華氏911』を面白く観た。「プロパガンダ映画」「公平さを欠く」と批判する人が多いが理解に苦しむ。ブッシュの方が「公平」から程遠いし、政府のプロパガンダ的報道以外はタブーというのが米国メディアの状況だったのに、そのタブーを果敢に破り、隠されてきた映像を提示した作品が、なぜアンフェア? 「米国のイスラエル政府支援を批判してない。次作ではぜひ」との指摘も目にしたがそれも不思議。イスラエル問題を重大視するならその人が追及すればいいではないか。なぜムーアに「全て」を求める?
観たばかりの映画の話をつい書いてしまったが、障害者の性を扱った本書についてもある意味で同様の構図があると思ったからだ。「ないもの」の如く隠されてきた障害者の性に焦点を当てた点を評価しつつも、「興味本位はいけない」という“良識”を少なくない人が言う。解せない。思うに著者も世間から遠ざけられていた事柄に興味関心をもったから難しい取材に挑んだのだろう。とはいえ著者の本心は知らぬが、少なくとも私自身は興味本位で手にとった。興味本位でこのテーマに触れたらいけないのか。それなら結局は障害者の性に興味を持つことがタブーということではないか。健常者の性は興味本位でも許されてるのに? 文芸系の老舗の本屋さんから出てるこの本はどう見ても専門書ではない。今まで障害者の性など考えたこともない世間的マジョリティの興味や初期的関心を喚起するノンフィクション作品だろう。もっと専門的分析が社会にとって必要だというなら専門家を自負する人がやればいい。私自身は、非常にリーダブルである本書(ほんとに読みやすいです)よりも、専門書のほうが良いと言う気にはなかなかなれないけれども。
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おもしろかった |
最近気になっていた言葉がそのまま題名だったので、読んでみました。
いくつかの取材によるものですが、私にとっては衝撃的で、セックスの意味って何だろうと考えさせられました。
人それぞれで、障害の有無なんて関係ないはずなのに、社会ではいろいろな制限を受けてしまうのだなぁと、思いました。
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各位に考えてほしい問題 |
私も職業柄このようなボランティアをしている例をある程度知っているつもりだったのだが、この本に出てくる当事者あるいは介助者の生の声に触れて、今までそれこそ「知ったかぶり」か「見てみぬふり」をしてきたのかもしれないなあと思い、読んでいてなんだか息が苦しくなった。終章の著者の記述と同じで、「立ちつくすことばかり」の心境だ。
丁寧に声を拾い上げていく著者の取り組みはデリケートで難しいものだっただろう。障害者の性の問題は確かにもっと語られていい事柄であるが、「あけすけ」がいいとも言い切れない。人の手を借りることが多くてそのぶん負い目を持ちがちな障害者からすれば、健常者以上に、性は切実な悩みだがその反面あまり踏み込まれたくもないエリアのものだ。
本に出てくる股関節症の女性が、風呂に自分を運ぶ男性ヘルパーに裸や股間を見られることは全く平気と言い切るのに、恋心を抱く男性には手を握ってもらうだけでドキドキするというのは象徴的である。また別の頚髄損傷の女性は、鎖骨より下の感覚が無いながらも性的な結び付きを求め続け、そして「セックスのボランティアという言葉だけで傷つく」とも言う。これもまた象徴的だ。2人の意識には違いがある。しかしどちらも当人たちの真理であろう。性愛の意識が、性交そのものの快楽よりも別の何かに性の意味を付与しているのだ。性が人によって違っていて、しかもそれが否定しうるものではない以上、やはりこれはシステムや制度によって解決できるような浅薄な問題ではないのだろう……ぜひ本書を読んで各位に考えてみていただきたいものです。
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まじめな本 |
若い美人レポーターのルポというだけで話題性満載の本書だったが、他の方も書いておられる通りまじめな内容である。これは現在の障害者扶助全体に言えることだが、憲法第二十五条に規定されている「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」の文言がまったく満たされていないことはあきらかであり、かつセックスは「文化」の中心とも言えるから、今まで取り上げられなかったのが不思議といえば不思議だ。本書は何よりも「われわれの税金で生きてるくせに、性的満足を求めるなどとんでもない!」という健常者の偏見を崩した(崩せていない?)点で評価されるだろう。
ただ、疑問とするところは、セックスにおいて求められるものは、単なるオーガズムではなく、むしろセックスを通じた人との触れ合い、繋がりだと思うのだが、これについてはどのくらい達成されているのだろうか、という点だ。これは扱っている事柄が個人のプライバシーにもろに触れる部分なので仕方がないとは思うが、数ある「性的満足」のうち、どの部分が足りないのか、そして現行のボランティアではどの部分を満たすことができ、どの部分ができないのか、そこが気になる。ヘンな話だが、例えば男性の場合、「手コキ」で満たされるのか、性交渉自体が必要なのか、もちろん障害の状態によっても違うとは思うのだが、個人差もかなり大きいように思われる。もうひとつは、商売ではなくボランティアという性質上、受給者側の感染症チェックはしていないのか、ということが気にかかった。